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スマホで撮る商品写真、自宅セットの作り方

商品写真に照明機材やスタジオは必要ありません。窓からの光、白い厚紙2枚、そして手持ちのスマホがあれば、出品に使える写真は自宅のテーブルで撮れます。この記事では、セットの組み方からスマホの設定、構図のそろえ方、そして最後に背景を切り抜いて白背景や透過PNGに仕上げるまでを順に説明します。

最小限のセット:窓の光、厚紙2枚、スマホの台

必要なものは4つだけです。窓、白い厚紙2枚、スマホを載せる安定した台、そして商品を置くテーブルです。ストロボや撮影用ライトは使いません。

  • 窓からの間接光。直射日光が入らない窓のそばにテーブルを寄せます。日が差し込む時間帯なら、レースのカーテンやトレーシングペーパーで光をやわらげてください。直射のままだと影が硬く、白い商品はすぐに白飛びします。
  • 背景用の厚紙。白い厚紙をテーブルに置き、奥の端を壁に立てかけて、折り目を付けずにゆるく曲げます。テーブルと壁の境目が消え、背景が一枚の白い面になります。小物ならA2、靴や雑貨ならB1程度の大きさがあれば足ります。
  • レフ板代わりの厚紙。もう1枚を窓と反対側に立て、商品の影になっている面へ光を返します。影が薄くなり、輪郭が背景に沈まなくなります。近づけるほど効果が強く、離すほど自然な影が残ります。
  • スマホの台。本を積む、箱に立てかける、小さな三脚を使う、どれでも構いません。手持ちで撮ると1枚ごとに高さと角度がずれます。台に固定して、商品だけを入れ替える形にしてください。

フラッシュはオフにします。正面からの強い光は商品にてかりを作り、背後に濃い影を落とし、色も黄色や青に転びます。窓の光は面積が広いので、同じ商品でも質感が自然に写ります。厚紙は文房具店や100円ショップのもので十分です。

スマホの設定:ピントと露出を固定し、最高画質で撮る

標準のカメラアプリだけで十分です。設定するのは次の3点です。

  1. ピントと露出を商品に合わせて固定する:画面上の商品を長押しすると、ピントと露出がロックされます(iPhoneでは「AE/AFロック」と表示されます。Androidは機種によって鍵のアイコンが出ます)。固定しておかないと、商品を入れ替えるたびに明るさが変わり、一覧に並べたときに1枚だけ暗い、ということが起きます。
  2. 露出を少し下げる:ロックしたあと、画面の太陽のアイコンを下へ少しだけ動かします。目安はマイナス0.3から0.7程度です。白い背景を明るく写そうとすると、商品の白い部分まで飛んで質感が消えます。背景の白さは切り抜きの段階で純白に置き換えられるので、撮影時は商品の階調を優先してください。
  3. 最高画質で保存する:iPhoneは「設定」→「カメラ」→「フォーマット」で「高効率」(HEIC)か「互換性優先」(JPEG)を選びます。どちらも解像度は同じなので、そのままで構いません。Androidも画質やサイズの設定を最大にしておきます。HEICのまま扱えるかどうかはHEICをJPGに変換するで整理していますが、Airpicの各ツールはHEICをそのまま読み込めます。

避けたい機能もあります。デジタルズームは画素を引き伸ばすだけなので、寄りたいときはスマホを近づけます。ポートレートモードは背景をぼかす処理で商品の輪郭まで削ることがあり、あとの切り抜きが不正確になります。超広角レンズは端の形が歪むので、標準(1倍)か光学の望遠を使ってください。撮る前にレンズを布で拭くことも忘れずに。指紋一つで全体がかすみます。

構図:距離・高さ・余白を全商品でそろえる

商品ページで差が出るのは1枚の出来ではなく、一覧に並んだときの揃い方です。撮る前に決めておくのは距離、高さ、画角の3つで、これを全商品で同じにします。

  • テーブルの上で商品を置く位置と、スマホの台を置く位置にマスキングテープで印を付けます。次の商品に替えるときは、印に合わせるだけです。
  • カメラのグリッド表示をオンにして、商品の中心を画面の中心に置きます。傾きは撮り直すより、置き直すほうが早いです。
  • 商品の大きさが違うときは、いちばん大きい商品に合わせて距離を決め、小さい商品はそのまま小さく写します。1点ごとに寄ったり引いたりすると、一覧で商品の大きさの関係が伝わらなくなります。

もう一つ大切なのが余白です。画面いっぱいに商品を入れず、周囲に商品の幅の2〜3割ほど空きを残してください。余白があれば、あとから全商品を同じ位置と大きさにトリミングして揃えられます。撮影時にぎりぎりまで寄った写真は、切り抜きで端が欠けたり、他の商品と縦横比が合わなかったりします。カメラアプリ側でトリミングするのは、この段階では避けてください。

1商品につき、正面、斜め45度、側面、質感のわかる寄りの4カットを同じ手順で撮ります。メイン画像は正面の1カットで統一し、残りはサブ画像に回します。光が変わると色も変わるので、撮影は同じ時間帯にまとめて済ませ、途中で雲が出たら1枚テスト撮影をして明るさを確認します。最初の1枚は必ず拡大表示でピントを確かめてから、本番に進んでください。

切り抜きは最後に、縮小していない元ファイルで

背景の切り抜きは、撮影がすべて終わってから行います。理由は2つあります。一つは、全商品が同じ条件で撮れているほど、切り抜きの結果も揃うからです。もう一つは、白背景か透過かをまとめて決められるからです。1枚ずつ撮っては切り抜く流れだと、途中で設定が変わり、揃いが崩れます。

切り抜きに使うのはスマホに保存されている元のファイルです。スクリーンショット、メッセージアプリで送った画像、メールの「小サイズ」で添付した画像は、すべて縮小と再圧縮を受けています。輪郭の判定は画像に残っている情報の細かさで決まるので、縮んだ写真では紐や毛足のある素材の境目があいまいになり、元の大きさに戻したときに白や灰色のフチが出ます。パソコンへは、ケーブル、AirDrop、クラウドの「オリジナルを保存」など、縮小しない方法で移してください。フチが出る仕組みそのものは商品写真の背景を白にするで詳しく説明しています。

仕上げの形式は、公開する場所で決めます。

  • 白背景のJPG:Amazonや楽天市場のようなマーケットプレイスのメイン画像。多くのサイトが無地の白を求めており、純白(#FFFFFF)で塗りつぶしておけば、ページの白地に溶け込みます。
  • 透過PNG:自社サイト、広告バナー、SNS用の画像、色違いを1枚に並べた比較画像。背景をあとから好きな色に置けます。
  • 迷ったら透過PNGで保存しておき、必要な場面で白に塗りつぶします。逆はできません。

出品先の画像ガイドラインは、出品前に必ず確認してください。背景の色、最小ピクセル数、余白の扱いはサイトごとに違い、改定もされます。背景の切り抜き全般の考え方は画像の背景を削除する方法にまとめています。

Airpicでの手順と、ストアにアップロードする形式

  1. 背景削除を開き、スマホから移した元ファイルをアップロードします。HEICもJPGもそのまま読み込め、撮影時の向きの情報とカラープロファイルは保持されます。
  2. 背景を選びます。「かんたん設定」でAmazon・EC向け(白背景のJPG)かウェブ(透過)(透過PNG)を押すだけで、背景と出力形式がまとめて設定されます。手動で透明・白・黒を選ぶことも、「色を選ぶ…」から16進数で自社のブランドカラーを指定することもできます。
  3. プレビューで輪郭を確認します。「100%で表示」で実寸に切り替え、取っ手の内側、紐、毛足のある素材の境目を見てください。処理と結果の表示は無料なので、背景の色を変えて何度でも比べられます。
  4. ダウンロードします。フルサイズのダウンロードは月に1回無料で、それ以降は有効期限のないクレジットを使います。料金はツールのページに記載しています。
  5. 次の商品を同じ設定で処理します。アカウントは不要なので、ブラウザを開いたまま順に流せます。

ストアに上げる形式は、メイン画像が白背景のJPG、サブ画像は窓の光で撮ったままの写真、広告や自社サイトには透過PNGという分け方が基本です。透過PNGは容量が大きくなりやすいので、画像圧縮で軽くしてからアップロードすると表示が速くなります。圧縮は処理もダウンロードも無料で、クレジットを使いません。トリミング後にピクセル数がガイドラインに届かないときは、画像拡大で×2か×4にしてから切り抜きます。

アップロードしたファイルはダウンロードの1時間後、遅くとも1日以内にEU内のサーバーから削除され、学習に使われることはありません。セットを組み、設定を固定し、余白を残して撮る。あとは背景削除で仕上げるだけです。

FAQ

スマホで撮った商品写真でも出品に使えますか?

使えます。多くのマーケットプレイスが求めているのは、無地の白い背景、十分なピクセル数、実物どおりの色の3点で、カメラの種類は問われません。窓の光で撮り、ピントと露出を固定し、元ファイルのまま切り抜けば、スマホの写真でこの条件は満たせます。

商品写真の背景は白以外の厚紙でもいいですか?

構いません。背景は切り抜きの段階で白や透明に置き換えるので、撮影時の色は自由です。むしろ白い商品や透明なパッケージは、ライトグレーの厚紙のほうが輪郭がはっきりして切り抜きやすくなります。濃い色の背景は商品の縁に色が回り込むことがあるので避けてください。

商品の影は残せますか?

背景削除では影は背景の一部として扱われ、基本的に消えます。柔らかい影を付けたい場合は、透過PNGで書き出したあとに編集ソフトで足すのが確実です。マーケットプレイスのメイン画像は、影のない白背景のほうが審査で問題になりにくいです。

夜や窓のない部屋で商品写真を撮るにはどうすればいいですか?

デスクライトを1灯用意し、トレーシングペーパーや白い布で光を拡散させて、窓の代わりに商品の斜め横から当てます。反対側には同じように白い厚紙を立てます。部屋の照明とライトの色が違うと色が濁るので、部屋の明かりは消してライト1灯だけで撮ってください。

背景削除で商品写真を仕上げる

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